３３㎡の縦長のプロポーション。昔ながらの集合住宅によく見られる１DKの間取り。窓の少ない閉鎖的な印象のその部屋は、天井も手を伸ばせば届く高さであった。

町屋という周辺環境もリサーチし、入居者の若返りを狙ったプランを提案した。とかく集合住宅においては、建物の年代とともに入居者もなぜか高年となっていく。

居室は幅と天井高が変化する細長い一室の空間。バルコニーから室の断面に導かれるように光が差し込む。さらに壁一面に収納を設けることにより、住まう人の生活に豊かさと広がりをもたらすリアリティー空間が実現した。居住場所として根源的に気持ちいい空間だ。